DESIGNART 2023

WASARA Flower Stand を製作して

株式会社マルニ木工
開発部 兼 ブランド統括部

「WASARA」が誕生した2008年は、私たちマルニ木工が95年の歴史の中でターニングポイントにもなった、プロダクトデザイナーの深澤直人さんとの協働が始まり、HIROSHIMAアームチェアが生まれた年でもありました。それから15年の年月が経った今年、福田里香さんともご縁が繋がり、今回Flower Stand製作についてお声掛けいただきました。

Flower Standは、福田里香さんからいただいたスケッチを元に設計をしました。

WASARAを支える部分の花びらのような形状は、設計を進めていく中で偶然生まれた形です。しっかりと支えつつ、お客様が簡単に取り外せるようにすること、WASARAに傷が付かないようにしなければならないことなど、いくつもの課題をクリアする形状を考えていく中で、丸みのある優しい形になりました。

一見、単純な切り込みに見えますが、花びらの裏側は WASARAの形に合わせて曲面を削っています。ちょうどいい具合にはまるように、職人がひと削りするごとに微調整しながら形を決めていきました。

マルニ木工は無垢材の切削加工を得意としています。小さい形ながらもこのFlower Standには切削に対するこだわりを込めました。

無垢材を使用することで木の本質や素材感が増し、WASARAの白く軽やかな美しさを引き立てるスタンドができたのではないかと思います。

そして、家具を製作する過程で出る端材も福田里香さんの素晴らしいクリエーションにより、Wooden Foodとして新しい命を吹き込んでくださり、可愛らしく生まれ変わりました。

節目の年でもある2023年、このようなご縁をくださいました皆様に深く感謝申し上げます。