日本では箸を使い、器を手に持ち、口をつけて食べる習慣があります。器を手に持つことは、両手を合わせてその中の食材を手のひらで包み、ありがたく食べものをいただくという精神性の表れです。季節の移ろいを感じながら、五感で食を愉しむ日本特有の豊かで繊細な感性と食文化。WASARAは、その心を表す器でありたいのです。
日本には、庭の外の遠山や樹木をその庭の一部であるかのように利用する借景という手法があります。それは自然と共存共栄してきたからこその表現です。また、格子や障子では単純な形を繰り返して連なりの美を作り出しています。形が単純であればこそ、つくり手には正確な技が求められます。そこに漂う緊張感は、清々しさや心地よさを作り出し、人々の生活の中に溶け込んできました。WASARAはそんな日本の技巧や美意識を商品哲学の中に継承しています。